■ヘルシーリポート:腸内環境 悪化すると免疫力低下
2014-04-26


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  http://mainichi.jp/shimen/news/20140331ddm010100036000c.html
     毎日新聞 > くらし > 健康・医療 2014/03/31 
食物繊維、できるだけ摂取を/LB81乳酸菌ヨーグルト、腸の老化改善

 健康にとって、腸の働きがいかに大事かを訴える健康セミナーが3月20日、東京都内で開かれた。加齢や不規則な食生活などで衰えていく腸内環境を若々しく保つためにはどうすれば良いのか?。
 日本初の便秘外来を開設した腸のスペシャリストである、小林弘幸・順天堂大学医学部教授が強調したのは、「便秘が慢性化すると全身の健康に悪影響が及びます!。」

 便秘とは一般に3日間以上、便が出ないか、1日の便の量が35g以下と少ないケースを指す。2010年の厚生労働省調査に依れば、年齢と共に増えるが、20〜30代の女性でも5%前後は便秘だという。
 慢性的な便秘は、結腸がんのリスクを高めるという研究報告もあり、たかが便秘と侮ってはいけない。
 便秘の解消に下剤を長く使っていると大腸がんの発生リスクを高めるというデータもある。

 小林教授は「基本的には食を含め生活習慣を変えることで便秘の解消に努めたい」と強調するが、では具体的な便秘解消術とは?

 先ずは朝食をしっかりと食べる。朝食を取ると1日の体内時計がリセットされ、腸が動き始める。昼以降の食事でも、食物繊維を出来るだけ多く取るよう心がける。脂肪の多い食材は少なめにする。食事以外では日頃から、おなかをマッサージしたり、骨盤を左右に回したりするなど小まめな体操もよい。
 腸をはじめ臓器の働きをコントロールしているのは自律神経のうちの副交感神経だ。副交感神経はリラックスしているときによく働く。このため、精神的なストレスや悩みは腸の働きにとってマイナスになる。
 腸内には100兆個近い細菌がいると云われ、善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れるのも腸の働きを悪化させる。便秘は悪玉菌を増やし、硫化水素など有害物質を発生させて、血液の汚れを促す。小林教授は「腸内環境の悪化で免疫の働きも低下する」と便秘解消10カ条の実践を勧めた。

 一方、腸は口を通じて外界とつながっており、常に有害な細菌やウイルスの脅威に晒されている。悪い菌を排除する観点から、浅見幸夫・明治食機能科学研究所乳酸菌研究部長は「腸管バリア機能」の重要性を示す動物実験の結果を報告した。

 腸管の表面はネバネバした「ムチン層」で覆われている。その腸管上皮にある「パネート細胞」は「抗菌ペプチド」というたんぱく質を分泌し、有害な細菌などを撃退している。これも免疫システムの一種だ。この「抗菌ペプチド」はどの菌にも同様に働くわけではなく、悪玉菌に強く働き、善玉菌にはあまり働かないという特徴を持っている。
 「抗菌ペプチド」をつくる遺伝子の発現量は加齢と共に低下し、高齢マウスは若いマウスに比べ、その発現量は1/10〜1/100に減るという。
 そこで人間でいえば30歳前後に相当する生後8カ月のマウスにLB81乳酸菌ヨーグルトを20カ月間、摂取させ、ヨーグルトを食べなかった高齢マウスや若いマウスと比べ、抗菌ペプチドをつくる遺伝子の発現量に差が出るかを調べた結果、LB81乳酸菌ヨーグルトを食べた高齢マウスは若いマウスと同じくらいに遺伝子の発現量があった。一方、ヨーグルトを摂取しなかった高齢マウスは若いマウスに比べて、遺伝子の発現量は低下していた。
 LB81乳酸菌は、別のマウスの実験でも、動脈硬化や糖尿病にも結びつく慢性的な炎症の指標となる炎症性サイトカイン(生理活性物質)の生成を抑制することも分かった。

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