禺画像]善玉の中に裏切り者 崩れるコレステロールの常識
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ニュース > 2013/06/17
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禺画像]) 何かと評判の悪いコレステロール。でも、細胞膜やビタミン・ホルモンなどを作るうえで無くてはならないもの。食べ物にも含まれるが、主に肝臓で作られ、体の隅々に運ばれる。この運び役が悪玉コレステロール(LDL)であり、コレステロールをたんぱく質や脂で包んだもの。
善玉コレステロール(HDL)は健康に良い善玉で、悪玉コレステロール(LDL)を減らしてHDLを増やせば動脈硬化が減る・・・、こんなコレステロールの常識が最近怪しくなってきたという。HDLにもさして善行をしないものや、中には悪玉もいて、HDLは量だけでなく質も大事だということが最近判りつつあるという。
HDLは細胞で余ったコレステロールを集めて肝臓に戻す働きが有り、包んでいるたんぱく質や脂がLDLと異なる。 HDLは集めたコレステロールを肝臓に戻す筈が、LDLに受け渡すことがあり、その仲介役がCETPというたんぱく質である。デンマークの調査では、遺伝子の変異でCETPの量が少ない人はHDLの値が1dl中70mg程度まで高くなり、心臓の病気になる割合が低い。
HDL濃度が元々高くてLDL濃度が低い人は動脈硬化になり難い。動脈硬化症の人にHDLを注射すると症状が和らぐことも知られており、こうした発想から血液中のHDLの濃度を上げる薬の開発が進められてきた。しかし、2012年5月、スイスの大手製薬企業ロシュが開発を進めていた薬の臨床試験でHDL濃度は上がったが、肝心な心臓などの病気を防ぐ効果に差が出なかったことより、開発を中止した。この中止されたものはCETPの働きを抑えてHDLの濃度を高める薬だった。
別なCETP阻害薬が試験中で結論が出ていないとはいえ、今のところ予防効果が見られていないのは、大阪大の平野賢一講師(脂質学)に依れば、「CETP阻害薬は、HDLが高くなり過ぎる」とみている。大阪大グループが国内でCETP欠損症の人達を調べたところ、HDLの値が100を超えて、むしろ動脈硬化になりやすい傾向があったという。
■善行せずぶらぶら
動脈硬化の仕組みは、LDLが体の中に多くなると酸化LDLに変わって、血管壁の内側に溜まる。すると、マクロファージが集まってきて、酸化LDLを食べて退治しようとするが、分解できるのは周りのたんぱく質や脂だけで、コレステロールは壊せず溜めこんでしまい、このマクロファージが原因で血管が腫れるのが動脈硬化である。
HDLはマクロファージからコレステロールを抜き去る能力があり、コレステロールを手放せば、マクロファージは動けるようになって血管から離れるが、CETPが働かないと、HDLはコレステロールを抱え込みすぎて動きが鈍くなり、コレステロールを集める役目を果たせなくなる。血液中でHDLが増えていると思っていたら、実はHDLが重くなっていただけで、働き者のHDLが増えていないのかもしれない。
■悪さをする仲間も
2011年、スイスのチューリヒ大学病院のグループが米臨床研究専門誌に発表した研究に依れば、健康な人から採ったHDLは血管に良い効果があるが、動脈硬化症の人のHDLは逆に害を与えたという。
LDLはほぼ1種類だが、HDLには様々な種類がいて、量だけでなくどんなHDLが含まれるか質も調べる必要がありそうだ。
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